組込み一直線
「プロジェクトマネージャー」として大成するには(3)
みなさん、こんにちは
(株)富士通ラーニングメディアの増田です。
今回も引き続き、ASCII.jp キャリア(http://ascii.jp/cate/21/)に連載の記事、組込み一直線をご紹介します。
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組込み系の現場で成果を上げるためのポイントや必要なスキルについて、「開発エンジニア」、「テストエンジニア」、「プロジェクトマネージャー」とお送りしてきた「組込み一直線」。前々回、前回では、組込み系ソフトウェア開発のプロジェクトマネージャーにとって、コミュニケーション──特にハードウェアのプロジェクトマネージャーとの情報交換──の重要性を中心に、プロジェクトマネージャーの仕事を見ていきました。今回と次回は、現場で起こりがちなマネジメントのミスの事例から、プロジェクトを成功に導くスキルを紹介します。
不測の事態を予見するスキル
前々回、前回解説したとおりプロジェクトマネージャーにとって一番重要なコミュニケーションスキルには、ハードウェアに関する知識や仕事の進め方を把握することが必要あります。把握せずにプロジェクトを進めてしまうと、コミュニケーションが取れていると思っているだけで、実は背後にある状況が理解できていないなんてことが起こるでしょう。
私が実際に担当したプロジェクトで、ソフトウェアをハードウェアに組込んで試験をしたところ、どうしてもうまく動作しないという経験をしたことがあります。ソフトウェアの不具合の可能性についていろいろ調べみましたが、原因を発見できなかったのです。そこで、ハードウェアが原因の可能性があるかもしれないと考え、ハードウェアのプロジェクトマネージャーに聞くと「まだ動作の確認や試験をしていません、申し訳ない」と伝えられました。全体スケジュール上、こちらは当たり前のように済んでいると考えていたハードウェアの動作確認が、ハードウェア開発の遅延によりまだ終わっていなかったのです。これも、ハードウェアの開発に関する意識の低さやコミュニケーションの欠如が招いたトラブルと言えるでしょう。
また、この他にも現場ではさまざまな問題が発生する可能性があり、それに応じたスキルがプロジェクトマネージャーには必要となります。 リスクを予測するスキルという点では、不測の事態への対応力があらゆる工程で求められます。例えば検査をするときに、外部から調達する部品が期日に到着しないことも起こり得ます。そのとき、部品到着まで検査を延期するのではなく、同様の部品を使い、別の方法で検査を実施する柔軟な対応が必要になることもあります。もちろん、部品が到着しないということ自体をまず避けるべきですが、もしものことを想定し、リスクを回避する方策を用意しておくべきなのです。予算や調達だけでなく、あらゆる不測事態に対するリスクヘッジも大切なことです。
忘れがちなものとしては、特許のクリアランスがあります。小さなプロジェクトだと、そういった作業をスケジュールに入れていないこともよくあり、自社で開発したと考えていたものが、実はすでに特許として認められており、勝手に使えない技術だった……ということになりかねません。そうすると、許諾に時間が必要になったり、許諾が降りてもコストがかさんだり、場合によってはその技術を使わずに改めて開発をしなければならないという事態になるかもしれません。特に特許権、著作権については、十分に注意を払う必要があります。また、特許以外にも外部委託に関わる法律──派遣法や下請法──などについても、しっかり対応していないと、知らないうちに法的に問題があるということが起こり得ます。組込みに限った話ではありませんが、特に組込み系開発は外部の会社に仕事を依頼することが多いので、外部との関係や法律遵守は必ず抑えておきたいプロジェクトマネージャーのスキルでしょう。
組込み系開発の場合、予算が開発中に何度も変わる事があります。多くは減額され、現場は速やかな対応を迫られるでしょう。例えばマーケティングの結果、プロダクト開発の予算を多く取っていたのを、その後の経済状況の変化により縮小せざるを得なくなるということが起こります。その場合、一部の機能を減らして対応するのか、それとも機能を保ちつつハードウェアを変更してコスト削減を図るのか、またソフトウェア開発工程を工夫して開発費を削るのかなど、的確な判断が必要です。つまりそれには的確なコストを算出できることがスキルとして必須になるでしょう。予算の変動を起こりうることと考え、ソフトウェア開発の各部門でいくら費用が掛かっているか、もしそれをやめるといくら削られるかなどのコスト感覚は、プロジェクトマネージャーに必要不可欠なスキルなのです。
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次回も、引き続き「プロジェクトマネージャ」についてです。
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